竹内薫  三谷幸喜  つかこうへい

久しぶりにミタニコウキを観ているのだけれど(映画「みんなのいえ」をBSプレミアムで)、やっぱ面白い。
何度も再放送されているようだけれど、在職中は観てるヒマが無かったと痛感しながら楽しんでいる。
三谷の連載エッセイ(朝日夕刊)はとっくに飽きているけれど、やはり演劇(や映画)は他を寄せ付けない面白さ(笑える)。
12人の優しい日本人」は映画も素晴らしいけど、武蔵小金井で観たシロウト劇団が演じても笑えたのだから、よっぽど良くできた台本なんだと感心した。
素人劇団も含んで、史上最多の舞台化数ではないかと思われる「熱海殺人事件」(つかこうへい)に迫る(あるいは超える)作品ではないかという印象だ。
ともあれ「みんなのいえ」も塩のネタだけで2ケ所もメチャクチャ笑わせるのも、韻を踏むようでよくできている(気付くはずだけど)。

というのは前振りだったんだけど、前回竹内薫さんはコメンテーターとして珍しく真っ当だと記してから、同じ竹内なので竹内均という人との関連が気になっていた。
実は「状況への失言」で、この均氏の方を原発事故の際に批判しておこうと考えていながら、多忙で書けなかったので。
竹内均氏は大昔に教育番組などに出ていて、それなりに顔を知られていたせいか、自民党政府の原発推進に利用されて(?)「私は大地震が起きたら原子力発電所の中に逃げ込みます」とヌケヌケと宣伝していたのを忘れない。
科学者がそんなこと断言していいのか?! という不安と抗議の気持を抱いたからだ。
高木仁三郎はじめ原子力発電に対する疑念・疑惑を表明した科学者が一方で、竹内均原発支持活動は浅はか極まるものだった。
薫さんがその均氏の縁者かどうか気にはなるものの、均氏のような浅はかなことは言わない人なので信頼できるからそれでイイ。
たとえ父子関係であろうが、親の責任を子供が取る必要はないし、成人した子の責任を親がとろうとするのは滑稽だ。
日本人はその点ではき違えている人が多いので呆れることがある。
これも昔、唐十郎が子供の大鶴義丹の浮気をテレビで謝った時、親子そろって笑い者になったのも当然だった。
つかや三谷に劣らぬ劇作家である唐だけに、見ちゃいられない憐れな姿であり残念だった。
ともあれあらゆる縁者とは無関係に、竹内薫氏は優れた科学ジャーナリストであり、コメンテーターだと受け止めている。