先ほどまでふだんはスルーしている「クローズアップ現代＋」を見ていたのは、栗山監督がゲストとして出ていたから。
ＭＣの１人として高く評価している「ただのデブではない」伊集院光（「１００分で名著」のＭＣぶりは素晴らしい！）が出ていたのは、彼が昔から日ハム一筋のファンだからだと知ってより親近感を抱いた。
日本シリーズを始め日ハムの選手がＶＴＲで映されたのも楽しいかぎりだったけど、ショウヘイ大谷自身の言葉で「監督が栗山さんでなかったら（日ハムに）入ってませんから」と聞けたのは（事実として伝えられてはいたけど）カンゲキだった！
ドラフトで日ハムが一位に指名した時も、球団から挨拶に行った時もキョトンとしていたショウヘイの目と表情は忘れてない。
メジャーに行くことしか考えていなかった（事実メジャーの数球団から誘われていた）ショウヘイ君の気持を変えたのは、栗山さんだったし他の監督や野球人では無理だった。
たぶん入団時に栗山さんがショウヘイ君と同意したと思われる「二刀流」を貫かせる姿勢は強固で、バッターとしては評価できるけれど先発としてシーズン続けられなかった点では不合格と断言していたのは気持良かった。
それはともあれ番組に戻ると、ショウ中田やハルキ西川の起用法などは既に伝わっていたので目新しくなかったけれど、栗山さんのことをボクが勝手になぞらえている西鉄ライオンズ監督だった三原脩（おさむ）のことを、栗山さん自身の口から「たくさん学ばせてもらっています」と言われてビックリした、なにせ西鉄ライオンズは野武士集団と言われたくらい奔放だったから。
西鉄の４番打者だった中西太（一度ならず三冠王を獲った落合の不調を一言のアドバイスで立ち直らせた名コーチ、だけど監督としては阪神・江本が言うとおりのアホ）から三原さんの残したノートを借りて、そこから勉強したと聞いてビックリ、そんなものが残っているとは！
ビッシリ書き込んだノートだそうだけれど、三原さんのイメージとは違うので驚きもひとしお。
過去の記録を元に作戦を立てるというと野村元ヤクルト監督が有名だけれど、三原さんが先行していたということか（意外にラミレス監督も常にノートを持ち歩いていたから結果を出せたものと納得）。
栗山さんがそんな貴重なノートを借りることができたのも、引退してからスポーツ評論家（？）として幅広い付き合いをしてきたからに違いない。
西鉄の黄金時代を支えた投手・稲尾和久が少年イチローの「神様・仏様」だったけど、打者ではフトシさん（中西）が大好きだった（デブだけどサードの守備は上手かった）。
頼まれもしないのに落合のスランプの原因を指摘やるほど開けた性格のフトシさんだからこそ、栗山さんに大事なノートを貸したのだろうけど、三原采配を再現するにはもっとも相応しい人を選べたフトシさんの見抜く力も大したものだ。
そもそも三原さんが信頼できると思ってフトシさんに託したノートだったわけだから、見抜く力が受け継がれてということか（そう言えば三原監督はノートのみならず、娘さんをフトシさんに託したのだっけ？）。
シリーズが終ってしまったのに、ステキな野球談議を聞けたのは幸せこの上なかった。
