修論中間発表会  シベリア抑留体験を強いられた芸術家  「鏡子の家」  山田夏樹

25日は修論中間発表会だというので、去年と今年の授業受講者のものだけを聴きに行った。
最初は長谷川四郎論だというので去年のズムさんかと勘違いしていたら、ウズベキスタンの留学生ではあったものの別人だった(ズムさんにしては早く論ができ過ぎだもンね)。
浜田知明が100歳で逝去したばかりだったので、自分は浜田にしても香月泰男にしても、シベリアでソ連の捕虜として最悪の重労働を強いられた犠牲者でも、美術家の方ばかりに関心がありながら文学者には冷たかったのだ、と発表を聴きながら反省する機会となった。
浜田や香月の画集(浜田は版画集だけど)は持っているし、香月の方は故郷の美術館にも行ったのに(中也研究会に呼ばれて湯田温泉に行った時だったか)、長谷川四郎にしても石原吉郎にしてもロクに読んでないのは猛省、明日からでも読まなくては!
《三島愛》に溢れて頼もしい上野嬢が修論に「鏡子の家」を選んだというので、好きでもない作品ながら再読し始めたり、ナッキー・山田(夏樹)さんに以前ヒグラシゼミで発表してもらった際のレジュメを読み直したりした(論文の抜き刷りも送ってもらっているものの、自家のどこかに埋もれたまま発見できなかったので)。
お蔭でナッキー君の発表を聴いた時よりも正確に論の内容が理解できたと思えたのは収穫だった。
その時は作品に興味が無さすぎたせいか、ナッキー論の面白さが十分分からなかったものと見える。
上野嬢がまたこの作品を取り上げてくれたお蔭で、ナッキー君から「鏡子の家」の読み方を改めて教えてもらった感じで感謝だネ。
抜き刷りが見つからないので、皆さんに一読を勧められないけど、見つけたら教えるネ。
作品以上に面白い論文を書く、というボクの理想を現実化した興味深い論だヨ。