百田尚樹はパーだけど(その2) (2・11)

 

半年前の記事です。

百田尚樹  藤井聡太(四段)  朝日新聞の偏向?  岡田准一 

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知性もへったくれもないパーの百田尚樹が、100パーセント間違ったことばかりを言っているわけではない。
ある番組で本人がボヤいていたので知ったが、朝日新聞の「天声人語」で将棋の藤井四段の愛読書を紹介していた時に(「論語」が含まれていたかな? どうでもいいけど)、百田の本を省いていたというのだ。
そんなことをやっているようじゃ、朝日も百田の右翼的偏向を批判する立場にはないということだと思う。
藤井クンが百田の本の愛読者でも全然かまわないし、冒険小説のイメージからすれば14歳の中学生が夢中になるのもあり得る話じゃないか。
おそらく百田の本など読んでいると極端な低能右翼になってしまうと心配して、2人を切り離すために百田の名を省いたのだろうが、何も百田の小説を読めば百田の右翼思想に染まるというものではない。
藤井クンの判断力を信じていないという点では侮辱にもなるし、逆に藤井クンが将来右翼思想を抱いた棋士になろうが大きなお世話だ、という当たり前のことを朝日は分かっていないということだ。
進歩的な考えを持つことはボクも賛成だけれど、それがイデオロギー化してしまうと他者に対して抑圧的になることもあるので、その可能性を自覚しつつ自戒しなければなるまい。
進歩的な考えでもそれが硬直化するとイデオロギーになってしまい、新聞社内(の特に若手記者)の記事に対して抑圧してはばからないようになる。
「加計ありき」の安倍政権と同じで、「右翼批判ありき」の記事では安倍晋三を批判しても説得力がない。
朝日新聞は以前、池上彰さんから硬直化した発想に対して手痛い批判を受けたことを忘れてはなるまい。

ボクは百田のものは全然読んだことがないけど、小説も売れて映画化されてそれも評判だったということは伝わっている。
2つとも岡田准一が主役だと記憶するが、岡田クンが百田の本の宣伝に協力したという話は聞かない。
もちろん協力するか否かは岡田クンの勝手なのだけど、協力しないのは岡田の判断力なのか、百田の悪いイメージでタレントが汚されないために事務所が控えさせているのかは知らない。
いずれにしても朝日が百田の名を伏せた行為は、日本人特有の公私混同だと考える。
以前にも1度ならず書いたけれど、朝日新聞は百田の小説作品(公)と百田の右翼思想(私)を混同しているのに気付けないのか?
2つの小説とも(少なくとも)表面的には右翼思想を歌い上げたものではあるまい。
百田の右翼的偏向そのままの小説なら、それほど一般読者に受け入れられなかっただろうと察せられる。
だから百田の小説を藤井クンが愛読すると、望ましくない右翼思想に染まるなどと朝日新聞が考えるのは、余計な心配だということだ。

@ Eテレの「100de名著」、大岡昇平特集が始まったのでこれにて。
  島田雅彦が解説だから期待してもいいだろう。