【読む】同人研究史『繍』  安部公房・大江健三郎論など

 毎号送っていただいている早稲田大院生の同人研究史、『繍』の第34号を落掌した。いつもながら充実したラインアップで安部公房論が3本・大江健三郎論が2本、その他に龍之介・川端が各1本に珍しい水谷準(聞かない名だと思ったら探偵小説家だった)についての論が1本と並んでいる。公房や健三郎論が3本もある分、ボクの守備範囲の作家が入ってないけれど、ここで紹介しておけばそれぞれの研究者への情報になるし、気軽に貸したりコピーを送ることもできる。もちろん余裕ができればボクも作品を読んでから論文を拝読したいものだ。公房は論文執筆者の先輩に当たる木村(瀧)陽子さんが聖心女子大修士の頃から論文の原稿を読んでいたものの(若い頃からあまり直すこところが無かったけど)、本号に収録されている3作品は未読なので楽しみだネ。

 ひところワセダというとセクハラ教員の巣窟というイメージがあったけれど、今の学生たちには被害者がいないことを祈っているヨ。