【読む】古閑章さんの梶井基次郎論

 暑さのせいもあるのか、贈っていただく本の紹介も遅れてたまりがちになって申し訳なく思っているヨ。

 古閑章(こがあきら)さんと言えば、すぐに梶井基次郎研究者という反応が返ってくるだろう。大著をまとめたのがいつだったか、今では入手困難になっているであろう。ところが『古閑章著作集 第十・十一巻』(南方新社、2750円+税)に「梶井基次郎の文学研究(前篇・後篇)」として出現したのだから、今後の梶井研究者には便利になったことだろう。ボクとは異なりまだ70代にならないのだから当然かもしれないけれど、古閑さんには強い研究意欲が持続していると見える。

 きょうび梶井基次郎はあまり流行らないけど、最近の純文学からは感じ取れない繊細純朴な感性やオシャレで凝縮した文体を味わおうと意欲する人には、古閑さんの論と対決するつもりで本書を横に梶井のテクストに臨むことを勧めるネ。1冊が3000円しないのだから安いしネ。

 また梶井ブームが来ないかな?