【状況への失言】袴田事件の再審間近  冤罪が死刑判決の場合

 今日の朝日新聞の「オピニオン&フォーラム」は「袴田さん再審と『人間の時間』」と題して、袴田事件弁護団事務局長の小川秀世という人がインタビューに応えている。警察・検察側がいかに事件のデッチ上げて行ったか、偽の証拠品を作ってでも袴田さんを犯人に仕立て上げたか(例の血のついた衣類が味噌樽から発見されたとか)のみならず、証拠の1つ(「自白」の録音テープ)が見つからないと居直るなどの手口で冤罪をで陥れたプロセスが語られている。個人の悪意のレベルではない、裁判のやり方などが歴史的に大きく変更されてきた過程も説明されていたのは、シロウトには貴重な知識となったネ。

 それにしても長年闘ってきた弁護士の小川さんまでもボクと同じ気持を表現していたので、警察・検察の腐敗こそ追及されなければならないと思ったネ。袴田さんの実姉が一貫して袴田さんを支え続けていたのは周知のとおりだろう。

 《姉弟は90歳と87歳。それなのに、メンツなのか組織のためか、検察はさらに時間を空費させようとしている。人の人生をなんだと思っているのか。憤りを覚えます》

 

 前回冤罪仲間=「獄友」の番組を紹介した時に書き忘れたことを付しておきたい。死刑囚たちは毎朝大きな声で獄中から「おはよう!」、と叫び合って挨拶を交わすという。前日死刑執行が無かったことをお互い喜び合うのだそうだけど、これが無期などの懲役囚とは根本的に異なるという。毎日死の恐怖と闘いながら生きている死刑囚の中には、袴田さんのように精神の失調をきたしてしまうこともあるということだ。番組でも自宅に訪れた元懲役囚の「獄友」に対して、袴田さんが相手を認知できぬまま「帰れ」と言っている場面が映されていたので失調ぶりが伝わってきた。その後は(日時が過ぎてから)2人が和やかに将棋をしている姿も映しだされたのでホッとしたネ。

 朝日新聞の同じページには死刑廃止を唱える弁護士の意見も載せられている。世界的にも廃止の国の方が多く、日本のように死刑廃止に踏み切っていない国の方が少ないそうだ。袴田さんの姿を見ていたら、ボクも廃止論支持に傾いているヨ。