【読む】千葉雅也という哲学者・作家

 全然知らずにいたのだけど、朝日新聞の「 be 」欄(土曜版)に千葉雅也という人が取り上げられていた。10年前に「動きすぎてはいけない」という本が売れたそうで、その後も「ツイッター哲学」「勉強の哲学」などと話題作を出しているとのこと。表題だけ見れば縁遠い人だから知らないのも自然だろうけど、「動きすぎてはいけない」という発想は共感できるので哲学者らしい印象だネ。

 近年は作家活動も目覚ましいそうで、野間文芸新人賞川端康成賞も獲ったり(スゴイ!)3度も芥川賞の候補になったそうで驚きだネ。芥川賞は話題作りのために悪食的に候補にすることもあり、古市憲寿のクソまでも動員したこともあるほどながら、千葉さんは文章・文体を重んじて短編作品に与える川端賞を受賞したということは、古市並みの出来心で執筆しているのではないと察せられる。高校時代に稲垣足穂を愛読していたというのだからタダモノではないネ。ボクは30年超のあいだ大学に勤務したけど、足穂を卒論に取り上げた人は1名だけだったと思う。

 千葉さんを紹介したのは、宇都宮生まれの人だという親近感も持ったからでもあるネ。