【見る】(完成稿)「100分で名著」  万葉集  大江健三郎の文学

(途中まで書いてそのまま間違って「公開」にしてしまったのを完成させたもの。)

 情報を流すまでもなく見ている人が少なくない番組だと思うけど、今は「万葉集」をやっているネ。先日チョッと覗いたけど、渡部泰明が解説しているので安心して楽しむことができると思うヨ。講師としては前回のアリストテレスの人と同じく「大学院教授」という感じで、とりわけてヒラメキのある学者とも思えないけれど着実な研究者といったところかな(「万葉集」研究ではハルちゃんが師事した鉄野という東大文学部教授=「大学院教授」ではない学者がスゴイらしい)。

 タイメイ(泰明)はボクが番組を見た時、ルネッサンスという言葉を不用意に使っていたのが気になっているけど、別に新しいことを言おうとしない方が無難だネ。実はタイメイは放送大学の講師もやっていて、以前見るたびに和歌を奇異な節を付けてダミ声で歌っていたので辟易(へきえき)したものだ。万葉研究の一学派の歌い方なのかもしれないけど、新興宗教のお題目みたいで見っともないネ。研究者としてはともあれ、タイメイ先生は教育者としては信頼できる人で、今年度から学大の石井先生の後任として赴任した川上(多田)知里さんはタイメイ先生のご指導のお蔭で博士論文を完成できたそうだからネ。

 

 タイメイと呼んでいるのは、彼と教育大駒場高校の同級生だった男がタイメイと呼んでいたのに従っているのだけど、この男はヒトから狂人呼ばわりされているのでタイメイも迷惑をかけられたことがあるだろう。ボクとしてはこの男が地方にいた頃からウツになるたびに(年に数回)電話相談に乗っていて、1回の電話が30分くらいだったから合計すると厖大な時間をムダにしたことになるネ。彼が精神科の主治医にしみじみ言われたそうだけど、「そんな奇特な人はメッタにいないヨ」とのこと。ボクからするとその手の人に対しては逃げずに話を聞いてあげてきたから、特別なことではないのだけどネ。彼は学生時代から(本人の言うことによれば早くは家庭でも)問題視されていたというのは、後で知らされたからネ。特別なこととすれば、論文業績が必要になったので彼の修士論文をもとに発表論文としてまとめてやったこともあるナ。

 「時間をムダにしたことになる」というのは、さんざんヒトの世話になりながら結局はボクを裏切って行ったからだ。東大国文科の力によって就職させてもらいながら、その学校の女性留学生に狂気を思わせる執着ぶりで追い回してクビになり、その後その学校は東大はアブナイということになって代わりに採用したのが偶然ながらヒッキー先生だったというのは笑えるネ。ヒッキー先生も「東大はアブナイ」ということを何度も聞かされたそうだから、彼は東大にも大迷惑をかけたことになる。ヒッキー先生がボクのいた学大に移ったという偶然もオモシロいネ。

 話が「万葉集」からはずれて長くなったけど、世間は狭いと痛感するばかりだヨ。

 

@ Eテレで「個人的な大江健三郎」という番組を見ながらブログを記した。意外にもスガシカオはじめ8名の人々(文学者以外が多い)の人が大江を読んだ感動を語っているけど、ボクは相変わらず大江文学は「個人的な体験」を書く以前の初期作品には感動するけど、その他は一貫して好きになれないネ。戦後民主主義を代表す文学者のように言われるけど、戦後民主主義者が依拠する《被害者意識》に囚われた不幸な作家という感じかな。スガシカオが感動したという「芽むしり子撃ち」も好いけど、「飼育」や「死者の奢り(おごり)」がスゴイ!