【状況への失言】「大川原化工機」訴訟、国と都が控訴⇒呆れるばかり!  闘う最高裁の元判事・団藤重光

 何度もブログに書いた「大川原化工機」の冤罪事件、年末に東京地裁が国と東京都に約1億6千万円の支払いを命じた(勝訴!)のを不服として、国と都が控訴したという往生の悪さを示した。11ケ月間勾留された社長の言うとおり、国と都の対応は「あきれる」ばかりであり糾弾しなければならない。東京都は常に国という「金魚のウンコ」のままに独立した正義の判断をするとも思えないものの、関東大震災時に虐殺された朝鮮人の慰霊の記念行事への参加を拒否することにした小池百合子が知事だと、いっそう歴史的事実に目をつぶるのだろネ。昔の美濃部都知事とは正反対の悪の見方・小池百合子らしく朝鮮人虐殺を「捏造」だとする右翼に身を寄せたわけで許しがたい。大川原化工機事件では(前にも記したように)公安部の捜査員が証人尋問で事件は「捏造(ねつぞう)」だと証言したとのことだけど、事実と正義を尊重する捜査員が存在して良かったヨ、稀なことだろうけどネ。小池も杉田水脈並みの右翼と大差無いということで、都民としても情けないヨ。

 

 大川原化工機側がいちおう勝訴ということではあるものの、判決文には事件が「捏造」されたという証言に言及がなかったというのも残念だ、東京地裁も腰が引けている印象だネ。関連して想起されるのは、これも保存しただけで未読だった朝日新聞の去年の4月20日の記事であり、先般テレビでも特集していた最高裁元判事の団藤重光氏の毅然とした姿勢だったネ。判事を退官後には現上皇天皇だった時に宮内庁参与として相談役を務めたという団藤氏が、最高裁の内幕や思いを記した直筆ノートが発見されたという。ノートには「大阪空港公害訴訟」について記されていて、団藤氏が属していた第一小法廷では大阪高裁が住民側の訴えを認めたのを支持して結審する見通しだったものの、国側は裁判官15名による大法廷に回付するような上申書を出したとのこと。団藤ノートには

 《いまになっての上申は好ましくない》

 《引きのばし作戦でもあろう》

という考えが記されているという。第一小法廷の岸上康夫裁判長は上申書が出された翌日、当時の岡原晶男・最高裁長官の下へ相談に行ったそうでノートに記されたのは

 《たまたま村上(朝一)元長官から長官室に電話があり、岡原氏が岸上氏に受話器を渡したところ、法務省側の意を受けた村上氏が大法廷回付の要望をされた由》

 日本における三権分立とは名ばかりで行政(政治)が司法を支配している様がありありと残されている。団藤氏はノートに

 《この種の介入は怪しからぬことだ》

と記したものの、大法廷は飛行機差し止め請求は却下し、一部の損害賠償のみを認めたとのこと。ノートには

 《傍聴席からためいきのようなものが洩れる。しかし感心に最後まで静粛にしていた。それだけにこの判決は原告たちに可哀相だ》

と記されているそうながら、正義を貫けなかった団藤氏も「可哀相」だヨ。でも最高裁判事も行政側を代弁するクソばかりではないと知ると、微小ながらも希望が持てるというものだ。とはいうものの、大川原化工機の冤罪事件では警視庁も東京地検も口をそろえて「上級審の判断を仰ぐことにした」という往生際の悪さを露わにしたので、「あきれるばかり!」と言うほかない。

 ボクの持論をくり返せば、「捏造」をした当事者をキチンと罰しておかないと冤罪は無くならないだろうナ。