昭和文学ゼミ

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 新年を契機(景気)にして更新記事を最初に記すことにしました。
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{これは自主ゼミで、単位にはなりませんが、関谷は常に出席しています(終了後の呑みの方も)。参加希望者は月曜6時にN407に来て下さい。学外者は関谷の許可を得てからどうぞ! 昨年度は立教や一橋の院生が参加しました。}

(1/5)
オハッ! じゃない、オメッ! って言うのかな?
昨夜の新年会、参加者の皆さん、お疲れ様でした!
例によってイチロー君はお泊まりです。あれだけ呑むと。
ニシムラ君のワインとトオルちゃんの焼酎が効きました。
(食器洗いは巨人族のヤマモトクンがやってくれました、カンシャ!)
昨日の山田エミは、皆さん言うように面白かったです。
イッシャンが逃げずに生煮えの料理を皆に饗したのも「マイウ」ならずも結果オーライでしたが、キョコタンとマイマイがそれを補って自分読みで議論を盛り上げたのも手柄でした。テクストがテクストだけに、どう議論してもセキハラになるのでとても楽しかったです。
 感想で述べたように、定時制の教員だった頃から親しい学大書道科出身のテツという男の趣味を思い出しました。昔、ピンク映画館に電話して、相手が若い女の子だと上映中の映画のタイトル(当時は3本立てが普通)を丁寧に言わせて喜んでいたヤツですが、今も都立高校で教えてます。若い女声で「団地妻、昼間っからアヘアヘ」「後から前からどうぞ!」「入れっぱなし」とか聞くと、タマランそうです(良い子はマネをしてはいけません)。
 来週は祭日で休み、次回は谷崎で作品は未定。




(3/10 記)
昨日「青銅」第39集の原稿を仕上げました。19日の卒業式には雑誌が届くはず。学生のみならず、卒業生もこの日には結集してくらさい! 
昔と違って休日じゃなくて、来れないヒトが多いのがザンネン! ボクの書いたのは「石原千秋はまちがわない」という題、読みたくなるでしょう? 藤井淑禎さんとの論争についてタップリ書いた。どなたでも500円で買えますから、郵送希望の方は送料共に800円お送りくらさい。
 
4/3
「青銅」を各地の大学に送っています。礼状・感想も届き始めました。表紙も好評。
まだ購入してないヒトは研究室まで! (と連絡してくらさい)
今日はスギサックが来て、二留のヒト(「二流の人」は安吾作品)になったのはイタ語の一単位のお蔭だそうで、語学で卒業延期になるのは「絶滅危惧種」なのだと納得!
こういう種(しゅ)は保護が難しい。イタ語の得意な(?)サカポコやユタ関口が尻押ししても、快感を感じるだけで発奮しそうにない。

4/14
昨日の昭和ゼミ、山田詠美「ひよこの眼」は参加者が驚くほど熱気に溢れた議論が続きました。それだけレジュメに力があったということでしょう。1年生には少々難しかったはずですが、5〜6人がガンバッテました(終了後の呑みの方もスゴカッタ)。学習院からも参加者が来て盛り上げてくれました。
出し物の予告を忘れていて申し訳ない。
4月20日 梶井基次郎檸檬
4月27日 吉行淳之介「花束」
以下、古井由吉、谷崎、乱歩、舞城王太郎田口ランディー、稲垣足穂福永武彦町田康、野坂の順ですが、作品は未定。

4/22
今日は新一年生がたくさん出席して、熱心に聞いていたのでビックリ!
それにしても昭和ゼミは常時院生以上が7〜8人参加しているせいもあってレベルが高い議論をしているのに、参加者が皆で熱の入った討議を続けているのには、つくづく呆れながら感心しています。スゲエよ、君たちは!
次回は5/11は古井由吉「人形」で、イチローのお気に入りの作品で楽しみ。
絶対オススメの作品なので是非一読を! 参加したくなるのは請け合いです。

5/11
カメヨン亀山とサカポコゆかのレジュメのおかげで、難しい作品ながら盛り上がりました。来週は谷崎潤一郎「二人の稚児」で、レポはタケポコとトヨポコのポコペアと宮川ユウチャンの3人です。ジェームス畑澤の誕生日の祝いで稚児モノを選んだのかと思ったら、全くその手のテクストじゃないそうで、、、。ま、祝いましょう。

5・26
昨日は先週の谷崎同様、江戸川乱歩「鏡地獄」で活発な議論をしました。先週のリュウマン宮川の発表も堂々たるものでしたが、今回のイイダ姫のも自説がハッキリ出せたイイ発表で、2年生の第二次成長(?)を感じました。
そう言えば、態度保留していた1年生(と一橋4年生)の4人が正式にゼミ加入して、昨日とりあえずの歓迎の乾杯だけしました。来週はもちっと盛大に祝うのかな?

6/2
昨日は舞城王太郎「バット男」、現代小説は論じるための距離ができてないので難しいものですが、レポ3人のガンバリもあって、随分と盛り上がって楽しかったです。2年生になったアサミちゃんのレジュメは館林に行くことなく、きちんと館山で勝負できていて感心しました。サッコが生き生きとして発表できたのは、マイジョウに合ってるせいだと感じられた発表でした。クックゼミ長のは王道を歩く感じでフォローしてました。いろいろ教えられたゼミでした。
ゼミ後は新入り歓迎会も兼ねて、いつも以上の豊富な飲食で騒ぎました。フウッ!
来週はランディーの「ジュミラ」、また現代小説なので教えてもらえそう。

6/8
先週に引き続いて、とてもオモシロイテキストでレジュメもそれぞれの切り口で興味深いものでした。プリンス関口がまた成長を見せたように思えましたが、継続は力なりということの証明だと思って、皆さんもガンバッテみましょう!
来週は稲垣足穂「きらきら草子」(新潮文庫他『きらきら草子』)。このところ、いかにも昭和ゼミというテクストが続いていて、議論もしっかりできているのでゼミのハードルの高さを痛感しています。これじゃあ、なかなか新入生が入らないのも当然。かつ、ゼミの新メンバーのレベルの高さを示しているようで、、、千田先生の演習で常に発言しているそうなモッチ木村が、昭和ゼミになると黙りがちなるのも、このゼミのレベルを示しているのでしょう。院生以上の参加がいつも多いのも原因だけど、それ以上にミンナの熱意がハンパじゃない、というのがボクの正直な感想。

6/15
マイジョウ、ランディに続いてタルホとは、あり得ないハードルの高さ! イチローのキャパを超えてます。それでもゼミ員以外に2人のゲストが参加した上に、実力派のキョコタンと(第二次?)成長著しいモッチが大部のレジュメを作ってきて、議論が意外な盛り上がり。司会のジェームスの力もあったのだろうけど、今日こそ早く終わって、このところの呑み疲れが回復できると思ったのに、次々と意見が出続けて、、、スゴイゼミには違いない。
初参加(?)の上村麻衣ちゃんはA類国語でイチローの概論を正式に受講している10人衆の一人。青木達居眠り4人衆と違って、いつも一番前に陣取って真剣に授業に参加している姿勢が目立っている。難しい、かつ毎年落とす非情なイチローの授業を受講するほどの意欲があるヒトだから、キェーちゃんに続いて上村二世になれる素質はある。起きろ、青木!
明日から3レンチャンで実習校通いで気が重い。小平、田無、三鷹とタイヘン!

6/23
昨日は福永武彦「あなたの最も好きな場所」を西村(一橋大院生)、サッコ、モッチが発表。西村君は院生らしいそつのないハイレベルの発表、サッコのは能力はあっても文学研究には打ち込めない下級生の、モッチは逆に文学研究の能力も意欲もある下級生の発表でした。それぞれ楽しめましたが、福永があまり好きでない私としては、とても興味深いテクストとの出逢いがありがたかったです。西村君、ありがとう!
来週は町田康の「犬死」、好きな作家に属するので楽しみ! 巨人族ワーグナーの世界)の山本クンが初発表なのも楽しみ。
西村君から多量のスモモをいただきました。甘くてオイシイ! 
4年生など、未だ食べてないヒトはイチローまで。

6/30
やっぱり町田康はオモシロイ! カメヨン亀山のレジュメもスゴクてオモシロイ!
初発表のヤマモ〜トは日本語の乱れはともあれ、ガンバリました。皆の感想も同じ。ゼミ長のクックは3人目を埋めるために急遽レポをやったそうだけど、町田文学には合わない感じながらよく健闘しました。
カメヨンの「主体性」で町田文学を読むというのも合わない感じながら、彼女の力業でやってしまうところがスゴイ。中心人物の存在感を払拭して<運動>として読むというのは新鮮。さすが! という蓄積を感じました。
高見順「描写のうしろに寝ていられない」という歴史的な評論を知らない人が殆どだったので意外。プリントが欲しいヒトにはあげますが、町田文学を「描写」というターム(用語)で論じようとしている人達が多かったので要注意!

<付記> 明治ゼミの佐藤クンが久々に参加。感想で「関谷センセーの概論を聴いていて、ああいう風に読めるようになりたい。」と言ったまでは良かったが、「昭和ゼミにはいりたいけど、明治に入っているので、、、」と言い出したところで、パッチンがいたらどう反応するか想像したら笑えたナ。アブラゼミにも参加していた所を見かけたことがあるが、ヤツのような姿勢でいたら延びること請け合い。

7/6
七夕前夜。願い事を皆で書いていたようだけど、明日も晴れないようで、、、「晴れンチ」は得意な人が多いようだけど、、、。期待の1年生サナエちゃんがレポで、レジュメができていながらも大学まで来れなくなってしまったそうで、、、ザンネン! 知恵熱かな? 
でもリンサイ川瀬とモチマン木村が頑張ってくれたので、とても楽しい一夜でした。
リンサイは「らしさ」を発揮して、独自の思考でテクストを<読む>ことができるようになっただけでもリッパな成長。スゴイ伸び率です。あまり周りで知識面を「追及」したらカワイソー、知っているだけではチットもエラクない。知識より知力が大事、かつ身に付きにくい。
モチマンは相変わらずの達成ながら、相変わらずの分かりにくさ。単刀直入を目差して欲しいナ。チダヨーコー氏の直輸入も理解を阻んだ要素になったようだが、キョコタン高浜の指摘の通り、モチマンはよく勉強しつつ理解が早いだけに、他人の主張がストレートに取り込まれてしまう故の通じにくさがつきまとうようだ。これもヘイカが言う通り、「長くなるのを恐れずに、言いたいことを全部書いてみること。」を繰り返す中に書き方を覚えるものなのだろう。
ジェームス畑澤が時に苛立ってしまうのは、昭和ゼミに対する要求が高いせいで、「院生なら当然」という発想が前提になっているからだと受け止めてやれば理解できるのでは。皆が発言しにくくなる、という指摘ももっともではあるけど、いつもは書道科の院授業のためにゼミに出られないジェームスらしい苛立ち、という許容の仕方もできるのでは。「文学は遊びではあるが、文学論は遊び半分でやるな!」という強いメッセージとして理解すれば不毛ではない。
モチマンの差し入れの桜桃はメチャ甘かったけど、太宰の頃はこんなに甘くはなかったはず、比喩的な意味でも。リンゴジュースは予想通りの甘さで耐え難かったけど、酒を呑まないヒトの評判はモノスゴク良かった。今日のテクストの「夫」と「少女」の違いかな。片や「純愛」をリセットしようとした男、片や人生で初めて「恋愛」を夢想(妄想)する女の奇跡的な合致。身体の「合体」が果たせないところが紛れなく「純愛」たる所以。
ヨリちゃん(高橋依子)が春合宿以来の参加。以前ジェームスが土産に差し入れたのと同じ、世界で認められた日本酒を持参してくれた。濃くてウマイこと! 初代のユカチンから送られた1本と共に、今日は日本酒の日になった。
来週は後期の作品決めと打ち上げ呑み会。全員集合! 
先週久しぶりに来室したネモチンも合流できればいいのだけれど、、、

7/13
前期最後のゼミなので作家決めで、ボクは研究室でお片付けをしている中に、短時間で皆が戻って来た。胸元ハルカ(村本春香)なオカンが未到着なので誰がオーブンを担当するのかと見ていたら、パッチンだった。本人の申告によれば、他人の「診断」と違ってあれでも胸元遙かだそうだから適任といったところ。慣れないせいか、ボクが買ってきたために4袋もダブッテしまったウィンナーを一度に焼きまくって配ったので、皆が食傷気味だったのは笑えた。パッチンには、過去の男達の記憶を焼き尽くそうというモチーフが内心あったのかも? 本人は否定していたが、詳細は不明。
初代のユカチンが送ってくれた日本酒とワインも振る舞った。芋焼酎も買ってきたし、遅れて合流した関塚クンお持たせのウィスキーもあったが、ほぼ全部飲み尽くした。というのも、飲み終わる頃に何と院修了生で今や無名の画伯となられた本間ちひろ先生(学大で児童文学の授業を担当してもらったから)とインタヴュアーを務めたエリチャンこと高橋枝里子が来室したせいで、再び盛り上がったため(佐藤隆が来たのでパッチンは乗ってたが)。たった今思い出したのは、前に木村モッチがお土産で持って来てくれたイカや貝ヒモ等を冷蔵庫から持って来なかったこと。冷蔵庫の中身を全部持って来い、と言ったのに、余計な物は運ぶのに肝心な物を運ばないヤツのせい。17日と22日には二つの院授業の打ち上げをするから、その時にでもいただこう。
ゼミ始まって以来のニュースは、時ならぬ焼き芋のできたてが食えたこと。誰が持ってきたのか確認し忘れたが、デカクてとても他人と思えない位のサツマイモをパッチン達がオーブンとレンジで焼いてくれたのはカンゲキ。これなら、今後期待できそう。
明日は消防がまた余計なことに点検に来るそうなので、これから廊下を片付ける。ヘイカに頼もうとしたら、肝心な時には居ないのが無責任体制の天皇制だった。
ノートにも書いたけど、ヒグラシゼミで発表希望のヒトは直接(メールも可)イチローまでどうぞ! (伝言はダメ)勿論懸案の三浦哲郎事典の原稿が終わってからのハナシだけど。

【後期】
10/19
 庄野潤三静物」。レポはヨシオ〜カとモッチマン木村。
ハードな作品なのは、この二人をしても(?)読みに難渋していたのが証明している。呼称が「父親」から「男」へ、「細君」から「妻」へ変わる理由を説明できずにいたが、<関係性>と<心理的距離>とを考えればスッキリするのでは?
焦点化されている「男」は1章の家庭においては「父親」であり、2章では家庭の外である病院の場面だから「男」。「妻」は客観的な立場での呼称であり、「細君」はビミョウな心理的距離(テレ、照れ)を表現していると読めばいいと思う。呼称が揺れる問題は太宰治「桜桃」で考えたことがあるが(『シドク』参照)、その経験が役に立っているので言うのだから間違いない。『シドク』が入っているロッカーの鍵がかかっているため、出せないでいるので○○君、暫くお待ち下さい。

10/26
坂口安吾「女体」。レポは一橋大院生の西村クン。もう一人の青木選手は前日の酒で撃沈して現れず。
 さすがに西村クンならではのレジュメでしたが、長編の書き出し部分というテクストでは議論がしにくい。テキスト選びで既に失敗、青木クンはそのせいで無理に酒に溺れたのではないかと思わせるくらい。
次回は11月9日で、三島由紀夫「火宅」で、レポはネモチンとトヨポコ。
イチローは出られないので超ザンネン!

来週11/16は村上春樹「緑色の獸」を初澤・宮川・岡崎という昭和ゼミの3バカらす、否、3羽ガラスがやります。スゴイ顔ぶれで期待できます。昔「午後の最後の芝生」(?)とかいう作品でチョー面白い発表をした、中村・今井ペアも参加できればいいのだけれど、、、。卒業生にはそれぞれの生活があるから無理か、、、せめてミネキチが来るようになればいいのにナ、彼が夜、空いてるなら。

11/16  村上春樹「緑色の獣」
 ハルキの短編をやるならレポは2人で十分なのに、敢えてスゴイのを3人並べたために議論が9時半にまで及んだ。ハルキの短編のテクストはスカスカなため、それを埋めようと読者を挑発するので、昭和ゼミのツワモノ達の議論が百出はおろか万出(マン出シではない)するのは当然。学部1,2,4年生のそれぞれのレジュメが独り立ちしたものだったのも、このゼミの水準を現している。
 もっとも叩かれたパッチンのレジュメは、敢えて作家の自己言及や先行研究に異を唱えようとする意欲的なもので、その点は高く評価できるもの。しかし先行するものを全面否定しようとするのは所詮ムリな話で、問題はどこで如何に「引く」かということ。戦線全てで勝利しようとすると闘い全体での勝利は覚束ない、肝心な部署では勝利しながらも、どうでもいいところでは相手に勝ちを譲るという度量の広さを持たないと、バカにされながら敗北しがちなのは歴史が示している。「引き際が肝心」という世間知は味わうべきかな!
 次回は11/30で中也詩から「言葉なき歌」と「春日狂想」の2編。
 立教大院生で中也研究で成果を上げている吉田恵理チャンを誘ってみよう。(以前にも参加してくれたヒト。)14日に京都の花園大学で開かれた昭和文学会秋季大会でも中也の発表があったが、手間隙はかかるがバカでもできるヒドイものだった。あのレベルで某大学の準教授というのだから呆れるばかり(あの大学の彼以前の教員のレベルは水準を超えていたのに、、、)。学生の発表ならミもフタも無い言い方はしないけど、、、それでメシを食っているなら、それなりの結果を出せヨ。「全否定」してやろうと聞いていたので眠れなかったせいか、他の3本の発表は殆ど眠ってしまったのはいつも通り。休養十分だったが、翌日の観光の疲れが出たせいか、ゼミ中は時々居眠りが出たことを記してお詫び致します。

11/30 中也詩
 卒論で中也と格闘中のタケポコがそれなりの発表をしていたのは当然。1年生のタカマンが結構ガンバッテいたのは収穫でした。ズーッと研究室でも格闘していた姿は美的だった。それにしてもフロア(発表の聴き手)の皆さんが難しそうな顔をしたままで、議論に参加しにくそうだったのは意外。詩を論じるのは難しいという感想が多かったので、今まで以上に意識的に詩を授業に取り込もうと思いました。

12/7 小川洋子「まぶた」
 予告できずに申し訳ありませんでした。
 卒論で論じているさかサカポコ(坂本)は、皆が口を揃えて絶賛したとおりの結果を残しました。1年生のマイマイ(上村)の健闘も皆が驚いたとおり。プリンス(関口)の斬新な発表は衝撃的だったようです。<自己の輪郭>をキイワードにして展開した論理は確かに切れ味も良く、説得的でした。実は水3の「研究法」で教えてことを消化して、器用に自分の論に取り込んでいる点はさすがにアタマの良さを示しています。文学研究を志して院進学を決めていながら、「近代文学研究法」を受講しなかった明治ゼミの三人衆が卒論で大きく出遅れたのも当然だということが想起されました。

12/14
 「討ち入り」の日だというので、ジェームスとリュウマンが泉岳寺にお参りして、ゼミ員にお土産のマンジュウを食わしてくれました。チョット甘すぎたけど、ハラが減ってたせいか美味かったです。
 伊坂幸太郎は生まれて初めて読んだけど、これが自主ゼミの顧問をしているメリットの一つ。食わず嫌い(?)な作家との出逢いの橋渡しをしてくれる。今回はそれほどオモシロイ作品じゃなかったけど、レポのクック・黒澤、サナエちゃん、オッサン・岡崎のそれぞれが、皆が認めたとおりの上出来のレジュメで議論を沸かしてくれました。司会のマイマイ・上村も含めて1年生が3人というのも前代未聞のこと。
 オッサンが「近代文学概論」の授業で吸収した<王と道化>についての知識をテクストに当てはめてみたものの、大方の理解を得られずに苦戦していたのもイイ勉強。
<道化>に杖(ステッキ)は付き物の、テクストの「矢」を杖として読むのは乱暴の感を否めず、この箇所をカットしたのも已むをえない。クックは伊坂で卒論を書きたいようだけど、院に進学する気がないならイイと思う。
 来週は石川淳「行きのデブ」(青木?)ではなく、「雪のイヴ」です。レポは畑澤・山本の仲好しペア。

12/21
 卒論締め切りの前日ということで、ゼミに出られたのは発表者の感想発言の最中という際どい時間。でもレポが石川淳のセンモンカであるジェームス君だったので安心して欠席できた次第。卒論指導の合間にレジュメを読みはじめたらスゴイシロモノ。
これなら石川淳研究会に出しても恥ずかしくない。<外>に出しても恥ずかしくない、というレベルに達するべく、皆もガンバッテくらさい。もう一人のレポである、山本クンの恥さらしに立ち会えなくてザンネン。
 良きお年を! とりわけイチローには! 
次回は1月4日  山田詠美「天国の右の手」 レポは高浜・上村マイマイ・青木