森敦の最後は「鷗」で、次はハルキ

 前回はさすがに西村クンという「酩酊船」論で結構議論が楽しめましたが、個人的には「草枕」のパロディと見えてきた点が面白かったです。結末が、乗り物が汽車から船にズラされながらも主人公の<美学>が成立するというところは、漱石作品を意識しないわけにはいかない。テクスト全体が種々のパロディかも、という木村さんの問題提起は酌み取って検討の余地あり。
 森敦のファンで授業を楽しみにしていたカメヨンが仕事の都合で出られないので、最終回は森敦研究者(?)の安原クンの再登場ということになりました。森敦の次は村上春樹で「踊る小人」と「午後の最後の芝生」の2作が決まっています。今週プリントを配布する予定。発表したい人は名乗り出てください。