「范の犯罪」の後は「夢十夜」から第一夜

テクスト論と作家論・作品論の差異は重要だから忘れないように!
要はテクストの読みに作家を導入するか否かという問題。
作家を前提にすることが正しいか否かではない、単なる流行の問題で最近はテクスト論が流行って主流ですということ。
作品論が間違っているとか、テクスト論者はオカシイとか、排他的な物言いをするとイデオロギーになって新興宗教と同断のオバカに見える。
芥川における「他者の不在」が「他者の可知性」(柄谷行人)によるものとすれば、志賀のそれは何に由来するのだろうか?
やっと「范の犯罪」に入ったが、「城の崎にて」に「殺されたる范の妻」という作品を書こうとしたという記述があるのを知る者はいなかった。