明治初期の文学史

リアリズムの話を遡って明治20年前後の文学史から話した。
小説神髄」「小説総論」のイギリス・ロシアのリアリズムから、40年前後の自然主義と写生文のリアリズムの最盛期へというラインを確認してもらった。
補足として、両者の間を埋めた30年前後からの硯友社の<洋装せる江戸文学>についても触れた。
40年前後におけるリアリズムの問題と小説言語の確立が重なっているので、両方を混乱しているヒトが少なくないようだ。
12日はその点の復習から続けるつもり。
楽しい宿題作品は安部公房「赤い繭」だが、これこそ反リアリズムの手法の典型、そう思って読むと逆にリアリズムが分かるのじゃないかな。
それにしても文学史をやるには時間が無さすぎる。