次回はルー・小森の「坊っちゃん」論

次回は現在の日本を代表する文芸批評家・柄谷行人の作品を予定していたのだけれど、研究室の著作集には作家論が収録されてなかったので、代わりに一世を風靡した(?)『日本近代文学の起源』(講談社文芸文庫にも収録、お勧め!)から選ぼうと思ったら、これも誰か(たぶんトミー君)が借りだしているので急遽予定変更した。
空前絶後の素晴らしい有光隆司「坊っちゃん」論を読み始めたところだが、肝心の「坊っちゃん」を読んでないクセモノが紛れ込んでいるかもしれないので、もう一つ「坊っちゃん」論を読むことにした。
日本文学研究資料叢書の漱石Ⅲに、有光論と共に収録されているルーさん(小森陽一=芸風がルー大柴にそっくりなのでイチロー君が命名)の論を取り上げる。
芸風からルーが大嫌い(最近ではデラックス松子の方が反吐を誘う)なイチロー君がルーさんを取り上げるのは初めてかも。
有光論に乗っかっている分、いつもの自己顕示欲が控え目だった記憶だが、有光論が高く評価しているウッチー(内田道雄先生)も依拠しているバフチンを知ってもらうためにもルーさんの論を読むことにした。
バフチンの『ドストエフスキー詩学』(望月哲男訳・ちくま文庫)も大のお勧め!
バフチンと言えば、そのラブレー論を翻訳した川端香男里(康成の女婿)先生の授業を、上記『詩学』の翻訳者である望月クンと一緒に受けたことが懐かしい。
川端先生に刷り込まれたお蔭で、ボクのバフチンの発音は「バ」ではなく「チ」にアクセントがあるので悪しからず。