ベルリン・フィルの常任指揮者選び  再放送は今夜だヨ!

午前中のBSプレミアム・カフェでベルリン・フィルの常任指揮者の選び方(アバドとラトルが選ばれた経緯)を特集していた(途中まで見て、あとは録画してある)。
楽団員が指揮者を選ぶのはウィーン・フィルでも(ニュー・イヤーだけかな?)やっているようだけれど、常任を投票で選んでいるのはベルリンくらいだろう。
ナチズムの悪夢を経たためだろうか、徹底した民主的方法を模索しているようで、アバドが選ばれた時にビオラのトップでいた土屋さんが呆れていたのを覚えている(番組ではその発言は無いかも)。
最初の投票で決まった(?)候補者の中にカルロス・クライバーの名を見つけた楽員が、「クライバーを書いても良かったのなら、自分も書いた(引き受けないと思ったから書かなかった、という意味らしい)」と抗議をしたので、土屋さんが「どこまでも議論の好きな人たちだ」とウンザリしたという話。
指揮者としては世界のトップと言われる地位ながら、忙しすぎるのでクライバーは忌避していたというウワサは、共感をもって聞いたことがある。
〈量より質〉という発想からの共感だけど、カラヤンと異なりクライバーは作曲家や演目を限って高質な演奏を残している所が素晴らしい。
車が大好きだという点はまったく理解できないけど、趣味まで一致する必要はない。
お馴染みの曲ではヨハン・シュトラウス「こうもり」やウェーバー「魔弾の射手」の演奏を聴けば、彼の演奏のスゴサが分かってもらえると思う。
もちろんポプラ―ではないかもしれないながら、リヒャルト・シュトラウス「バラの騎手」やワーグナー「トリスタンとイズー(イゾルデ)」など歴史に残る演奏も忘れ難い。
話が逸れてしまったけれど、何でもムード音楽にしてしまったカラヤンに代わり、アバドがベルリンにクラシック音楽を取り戻してくれたのは大歓迎だった。
アバドが胃ガンで退いた後、バーミンガム市響という3流どころの楽団を1流半くらいのレベルに育て上げたラトルが選ばれたのは順当だろう。
番組の後半では有力な対抗馬だったバレンボイムと競いながらラトルに決まって行く過程が放映されているようで楽しみ。
バレンボイムフルトベングラーを尊敬している人らしい所も感じさせる優れた指揮者だと思うけれど、年齢的にラトルの将来性に及ばなかったというのが実情だろう。
ともあれ再放送がその日の夜(午前1時55分〜)にあるので、興味のある人におススメしておきたい。