少数精鋭で議論白熱!

常連の2人から無念の欠席の連絡は受けていたけれど、このところ仕事がタイヘンなので参加しがたいと言っていたミチルちゃんが現れたのでビックリ驚き。
メールが使えないので参加の意志を伝えられなかったとのことだけど、元気そうで安心した。
幸い予定変更で参加できたナオさんを含めて総勢7名という記録的な人数だったけど、精鋭の集まりだったせいか活発な議論が続いて刺激を受けた。
エトワール君が長年(?)取り組んできた牧野信一だけあって、発表が話題を提供してくれたのみならず、マキノが問題を多く抱えている作家なので議論の題材には事欠かなかった。
中原中也の専門家であるヒッキー先生から中也やモダニズム文学者等とマキノの文学的つながりも補足してもらったり、下手な語りから読み取れる切り口を提起されたのも議論を深め広めたと感じた。
個人的には「父を売る子」は表題が示すとおりエディプス物語の典型である志賀直哉、特に「和解」との強い影響関係が露わだと思った。
ヒッキー先生やレポも指摘していたマキノの方法意識の強さの現れであろう、メタフィクション的側面は両作品に共通するだけでなくマキノが「和解」を意識したであろう形跡が目立っている(先行研究に指摘が無いのが不思議)。
「父と子」のエディプス的主題は大正期文学の大きなテーマだけれど、マキノ作品では父子が鋭く対立するのではなく馴れ合うところが独特だという印象は共通していたと思うけど、その点をヒッキー先生が言語化してくれてハッキリ理解できた。
エディプス的主題が「父を売る子」で確立されてその後の作品にも展開されるというレポの見取り図には反論も出たけれど、何事も思い付きから始まるので検討の余地はありそう。

マキノを初めて読んだといいながら鋭いツッコミを入れていたマチルダさんが差し入れてくれた多種の菓子のみならず、久しぶりのナオさんの手作りケーキにお腹もイッパイ、白熱した議論で頭もイッパイでした。