北里柴三郎  「英雄たちの選択」  中村桂子  (自民党)加藤の氾濫  上田晋也  「上田ニッポンの過去問題」  昔からオバカの森喜朗

今朝8時から再放送があったけど(寝ていたので後半だけ見直した)、一番好きな番組BSプレミアム「英雄たちの選択」で北里柴三郎を取り上げていた。
柴三郎というとボクには鴎外の「独逸日記」に出てくるのが馴染みだけれど、帰国後の柴三郎があんなに「カッコイイ」(中野信子さんの発言)活躍をしたとは知らなかった。
私立の研究所で成果を出していたのを政府が国に吸収しようとした際に、柴三郎は所員は生活のために国立の機関に移らせながら自分だけ1人で継続しようとしたという。
そしたらほとんどの研究所員(100名前後)が柴三郎と共に国から自立する道を選んだという深イイ話、感動!
この回だけはいつも先鋭な「選択」をする中野さんよりも過激だったのは科学者の中村桂子さん(国語教科書でも馴染かも)、ご自分が私立の生物科学研究所とかいう所で活躍してきた人だけあって、中野さんが国との妥協を選んだのに対して自立の道を「選択」したのは面白かった。
中村さんの選択理由もキチンと筋が通っていて納得・共感できた。

あまり話題として聞かないけれど、「上田ニッポンの過去問題」(TBS午前0時43分から)はとてもイイ番組だ。
クリームシチューの上田晋也がMCで日本の歴史上の時事的トピックについて、ゲストから聞きだすというもの。
早稲田出身だからというわけじゃないけど、他のお笑い芸人にはできないMCぶりで感心する(大学出でない伊集院光の頭の良さを示すMCぶりは何度も記した)。
相方の有田哲平や売れっ子の有吉浩行あたりには絶対できない、難しい話題ばかりの番組のMCが務まるのだから、上田はやっぱり頭がイイ。
昨日は「加藤の氾濫」がテーマだというのだけれど、自民党の内紛だから当時からスルーしていたので内実を知るために見た。
ゲストの竜崎さんによれば、故・加藤紘一は反竹下(登)を通すために盟友の山崎拓と共に反自民党で野党の森喜朗内閣の不信任決議に同調しようとしたけれど、幹事長の野中務の切り崩しに合って挫折したということらしい。
不信任に動いた理由の1つが、森喜朗が「天皇は神だ」という発言だったというのだから、森のバカさ加減は今始まったわけではないということだ。
にもかかわらず(被差別部落出身だと足を引っ張られることが多い)敬愛する野中務が森政権を守って加藤を追い詰めたというのは残念至極。
YKKと括られた山崎・加藤・小泉純一郎という盟友関係の中で、小泉がどう振る舞ったのか知らないけれど、この時に加藤が失脚しなければ後の小泉政権は無かったかもしれない。
北里柴三郎じゃないけど、仲間の多くが野中等の切り崩しにあって裏切っていく中で、加藤は1人で決議に参加して反対票を投じるつもりでいたけれど、思いとどまったとか。
後味の悪い話だけど、加藤紘一(と山崎拓)という自民党員のなかでも人間として信頼できる存在がいたことを知ったのは、嬉しい発見だった。
小泉純一郎が反原発という「信念」を貫こうとしているのは、加藤や山崎と貫けなかった往年の「信念」を遅まきながら貫こうとしているのだ、と解釈できれば面白いのだけれど。