田中優子・法政大総長  法政大・非常勤講師  

5日の朝日新聞の「耕論」欄、「大学の独立」という特集に田中優子さんのインタビューをまとめたものが載っていた。
田中さんが総長だと知り、学大の恥・村松泰子学長と比べて期待できると以前にも記したけど、記事を読む限り期待どおりの活躍のようで心強い。
「大学の独立」とは我々が学生の頃までは第一義に守らねばならないことだったので(戦争中にその大原則が蹂躙されていた反省から教員が率先して守っていたのだけれど)、その後の「産学協同路線」に導かれた大学の保守化・反動化には危惧を感じ続けていたけれど、そういった風潮の中で「学問の自由」を強調する田中さんの発言は感動的でさえある。
《法政大は1月、軍事研究は行わないこと、防衛省が募集する研究制度への応募は当面認めないことを決めました。》
「貧(ひん)すれば貪(どん)する」で、どの大学でもカネ欲しさで文科省の言いなりになっている中、法政大(総長)の凛(りん)とした姿勢は頼もしいかぎり。
田中優子といえば、江戸期の文化・文学の研究者として信頼できる人としてのイメージが強かったけど、(学内外の)政治的能力まで具えていたとは驚きだったものの、記事を読んで彼女が法政大の卒業生だと知ってチョッと納得できた。
学芸大は学長を選ぶ際に東大出身者にこだわり過ぎたから村松泰子とか蓮見音彦とか、歴史に残るダメ学長を選んで信頼を失ったわけだから(鷲山恭彦氏は例外的に優れた見識でリーダーシップを発揮していたけど)、早く「東大」幻想から脱しなくては先が無いと思う。

実は来週から法政大の大学院に非常勤講師として通うのだけど、タイムリーな記事を読んで通うのが楽しみになった。
和文学会の会務委員長だった頃に、川村湊さんに大会等に参加してもらったりお世話になったけど、その川村さんが特任教員を断った穴埋めとして3年前に学大の特任教員を断ったボクが行くというのもヘンな縁だネ。
でも授業の方は「文学と風土」という表題が課されているので、今どきこんなテーマで1年間授業をやれとは時代錯誤・時代遅れじゃないかと思いつつも、院生と一緒に対処を模索して行きたい。
学大に限らず、立教大や一橋大の大学院の授業でも他大学の院生等の参加を歓迎していたけれど、法政大でそれが可能かどうか人数も見ながら検討したい。
水曜の3時10分からです。