松本清張  谷崎潤一郎

「断碑」という考古学者をモデルにした作品で、前回発表した「菊枕」と同様にコンプレックスをバネに振り回される性格悲劇(ボクなりの規定)のパターンだ。
いつも言うとおり、清張の作品に文学性を感じないボクとしては論じようがないし、発表に対してもあまり有効なコメントができない。
それでもテイさんの発表が通り一遍のものだったので、というよりだいぶ不備が多かったので種々の指摘(指導)ができたようなもの。
昨年と比べると授業態度が見違えるほど良化したものの(バイトのためという)、昨年あまり学習できなかったせいか研究の基礎的なもの・ことが身についてないから、レジュメも不十分なものに止まることになっている。
そもそも日本語の誤りが多すぎるので、今後意識的に向上を図らないと論文執筆どころではない。
作者の自作言及(エッセイ)をそのまま鵜呑みにして作品解釈する初歩的誤りは、二の舞せぬよう他の人も肝に銘じて欲しい。
昨年よりシンポしたと思われるのは、先行研究に導かれてか、自分の読みらしいものが出せるようになっている点。
しかしそれも十分に展開できていないのは、自分の読みながらシッカリまとめきれてないためか。
突き詰めて考え抜く姿勢ができてない、というのが克服すべき根本的な課題とも思われる。
心機一転、ホンキを出さないと修論執筆はほど遠い。


ついでながら31日は(学部は学祭ながら院だから授業をします)谷崎潤一郎「金色の死」、一読すれば江戸川乱歩「パノラマ島奇談」と同じ素材だと分かる。
両者を対照した先行研究もあるようだけれど、単独で論じるか比較して論じるかはレポーターの勝手。