【読む】「ガリバー旅行記」新訳の連載  望月哲男・新訳「戦争と平和 2」  三好行雄師の命日  山田有策氏は元気

 朝日新聞の連載小説は、6月12日から柴田元幸さん訳の「ガリバー旅行記」になるそうだ。ガリバーは学大赴任して暫くしたら、敬愛する内田道雄先生の推薦図書だと知り、それならぜひ読みたいと思いつつつもなかなか果たせなかった。在職中だか退職後だか何かがきっかけで一部だけ拾い読みしたのは確かながら、未読の部分がほとんどだった。柴田さんの新訳だというので、これを機に読もうと考えているヨ。

 およそ連載小説(朝日に限るけど)で面白いのに出遭ったことがなく、山田風太郎八犬伝」は馬琴を読む代わりのつもりで読み通したけれど、全然面白いと感じたことがなかった。その印象もあってか、その後は奥泉光の地底探検ものとか、浅田次郎のものとかは最初の方だけガマンしてみたものの、すぐに挫折してしまった。高橋源一郎の文壇ものに至っては、第1回を読んだだけで文壇史を軽く叙した感じに嫌気がさしてその後は無視し続けたネ。単行本になってからは研究者の間でも好評のようなので驚いたものの、未だに触ったこともない。

 でも今回は何とか読み通したと思っていたガリバーなので、期待している。英文学者ながらハルキをはじめ日本現代文学にも詳しい柴田さんの訳なら、十分期待に応えてくれることだろう。

 

 先日、望月哲男さんの新訳「戦争と平和」(光文社)の「2」をいただいた。半月ほど前に「1」の続きを読みたくなって集英社の旧訳で読み始めようと、書棚から取り出しておいたばかり。「1」を読んで初めてトルストイの文章になじむことができたことは、ブログに記したとおりだけど、実に読みやすい上に註が丁寧なのでスムースに読み続けることができる。コロナに関係なく読書中心の日々だけど、読みたい本が増える一方の幸福感にひたっているヨ。読書は必ずクラシック音楽を流しながらネ、サイコー!

 

 ブログを書く時はテレビを見ながらか、録画を見ながらだネ。今はビデオで昔NHKで特集していた「日本人は何を考えてきたか」というテーマの、「幸徳秋水堺利彦」と「内村鑑三新渡戸稲造」の2本。久しぶりに見ると初めて見るように新鮮なのは、ボケて中身を忘れているからなのは言うまでもない。学生時代、三好行雄師がウィスキーを舐めながら推理小説を読む楽しみを語ってくれた時に、「酔って翌日は犯人を忘れてしまうから、何度でも読める」と笑わせてくれたのを忘れない。含羞の人の典型だったけど、たま~に気を使ってボク等に話しを合わせてくれたのも懐かしい。20日が命日で、毎年ボクら「三好文子を不良オバサンにする会」だけで三好宅を襲い、奥様と息子さんの手料理をいただきながら痛飲させていただいているのだけど、今年はコロナ禍を考えて奥様に万一のことがあっては大変だと中止となった。一番残念と思っておられるのは奥様だと分かっているだけに、ツライね。

 中止の件を、きょう山田(有策)さんに電話連絡したのだけど、すぐに受話器の先からお元気な声が聞こえたので安心したヨ。何でも中止となって先も見えないからツライというグチで盛り上がったヨ。山田先生、元気だヨ! ご安心!