【聴く】ブルックナーの交響曲(第7番)を今夜

 ボクが死ぬ時はブルックナー交響曲第9番の第3楽章(未完なので第4楽章はない)のフィナーレを聴きながら死にたいと言ったことがある(宇都宮大卒業生の集まりだけど生前告別式だったかな)。まさに天上に召される気持になる、恍惚感に満ちた音楽だネ。

 ブルックナー交響曲管弦楽曲で一番好きだけど(室内楽ではヴァイオリン独奏曲であるマスネの「タイスの瞑想曲」など)、なかなか演奏が見られる(聴ける)機会はない。それが今夜の「クラシック音楽館」で第7番が聴けるヨ。一番入りやすいのは第4番「ロマンティック」だけど(特に第3楽章では馬上の狩人の群れが思い浮かぶ)、入りやすいだけに飽きやすい曲だ。第7番は比較的入りやすくてまた深いので、何度聴いても飽きることがない。特に第3楽章のフレーズが耳の底に刻まれて残るネ。

 映像はないかもしれないけど、音だけならCDで発売されていればと思うのはマタチッチ指揮のチェコ・フィルの演奏がピカイチだと思う。昔の演奏ながらこれを超えるものはないだろネ。マタチッチに比べるとカラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏はまるでムード音楽で、とてもブルックナーの曲とも思えないヒドさだ。カラヤンは何にでも手を出したがったけど常に演出過剰だから、当然似合わない作曲家もいてブルックナーがそれだネ。マタチッチが感じさせてくれる宗教性などまるでない。

 今夜の演奏はN響エッシェンバッハが指揮をするのだけど、予告編を聴いたかぎりでは十分にブルックナーになっている。エッシェンバッハは若いころはピアニストとして評価されていたけれど、中年過ぎてからか指揮者に転換したのは知っていた。時々聞いたことがあるけど、それほど印象に残る演奏ではなかったネ。でも今夜放映の演奏は聴く価値があるからおススメだネ。

 

 (なんて書いたまま寝入ってしまったよ。もう曲が始まっているじゃないか!)