初出・初刊・校異など

「夏の靴」の初出題が「白い靴」だったことから、原稿・初出・初刊から個人全集に至るテクストの変容という大事な問題。
テクスト・クリティック(校異)は古典文学でも外国文学でも研究の基礎。
テクストに手を入れたがる作家の代表は井伏鱒二小林秀雄(や大西巨人)。
テキストに収録されている井伏の代表作「山椒魚」は、大正12年の初出題「幽閉」から昭和60年の自選全集版の劣悪な末尾削除テクストまで、数種類のテクストがあることを例示した。
次週にプリントを配布する予定。
それにしても「夏の靴」の読みは多彩な可能性を秘めていて難しい。
1年間、このテキストでやるという気になると、焦らずに授業ができるのでマイペースを守れる。
人数も理想的だけど、教室はもう少し狭いとベスト。
他の教室で5時限も空いているところを探すつもり(試験時間を延長できるようにするため)。
次回は必ず横光「蠅」に入るが、やることは多くて深いからそのつもりで!