ベートーベン《ヴァイオリン協奏曲》のカデンツァ  篠崎文紀  グローバー

日曜の「クラッシック音楽館」で最高級レベルの信頼を置く指揮者パーヴォ・ヤルヴィN響がベートーベンのヴァイオリン協奏曲をやるという。
いつもは録画するものの、クレーメルキョンファ等のヴァイオリン演奏で数種類録音・録画してあるので聴くだけに止めようと考えていた。
今回のヴァイオリンはテツラフという名前だけ知っている程度の人で全然期待していなかったけれど、聴いていたらスゴク良い演奏なので聴き入ってしまった。
テツでラフという名前は荒々しいイメージだけど、音は控え目で澄んでいて訴えてくるのでずっと聴き続けていたくなる演奏だった。
でも録画する余裕(余白)が無いので、従来の演奏とは異なるというカデンツァだけを録画することにした。
カデンツァについては番組はじめのN響コンマスコンサートマスター)であるMARO(篠崎文紀の愛称だそうだけどハマってないネ)の解説で知ったのだけど、ふだんはどうでもイイ解説で無駄な場合がほとんど、見た目も気持良いツラじゃないのだから早くカットしてもらいたいネ。
同じことは美術番組の「アート・ステージ」にも言えるので、今まで無かった番組の最初と最後にグローバーという見るからにむさ苦しい男が(声だけなのは助かるけど)、ほとんど初歩的で不要なコメントを言うので愉快ではない(小木博明ほどのスーパー・バカじゃないけど)。
クイズ番組などテレビにも露出しているので知っている人もいるのかな、東大美術史学科の出の「ミュージシャン」だそうだけど、東大生らしい《広く浅く》の美術史知識は聞きたくないネ。
本郷の美術史学科の先生は高階秀爾というドエライ人だけど、弟子は育ってないのかな? 駒場では現在放送大学ではイチロー一押しの「日本美術史の近代とその外部」(月曜夜)の稲賀繁美さんのようなメチャ面白くて刺激的な研究者が育っているのにネ。
ともあれグローバーのようなニンゲンってけっこういるもので、美術的なセンスは無いものの知ったかぶりをしたがるタイプね、ウルサイだけだなのが自覚できてないから困った存在だよナ。

(演奏は一流らしい)篠崎さんの場合は専門的な知識にあふれているのは分かるけど、啓蒙的な解説は時間の無駄だネ。
ただ今回だけに限っては専門的なレベルの解説で、言われなければ分からなかったからとてもありがたかった(いつもこの調子の解説なら聴く価値があるのだけどナ)。
第1・3楽章で弾かれるテツラフのカデンツァは、この曲のピアノ協奏曲への編曲版に使われるカデンツァを使用しているというのだけれど、シロウトには第3楽章の方はどれがカデンツァだか分からなかったのはザンネン。
それでもティンパニとのやり取りをする第1楽章のカデンツァはすぐ分かるもので、かつとても刺激的で面白かった。
ピアノ版もバレンボイムの録音やムストネンの録画があるので、テツラフのと比べてみたいネ。