「風琴と魚の町」の感想

多忙で感想が遅くなったけど、一言。
賢次を研究してきたセンちゃんが、新たに林芙美子研究に着手しようという転換を考えている点は立派。
なかなか新しい対象に切り替える気持にはなれないものだ。
その意欲が伝わってくるような発表だった。
中でも新鮮だったのは、「私」の過剰とも見える食欲が精神的な飢えの現れでもある、という切り口。
臨床心理学を意識したものかとも思われるが、先行研究には無かった視点だろうと思う。
この点のみならず、タップリ議論できたのはレジュメのお蔭。
芙美子は以前、学部の演習で取り上げた際に、期待以上に面白いテクストだと感心したのを思い出す。
全集が欲しいくらいだ。
センちゃんの選択は間違っていない、そのまま突き進むべし!