目取真俊(めどるま・しゅん)を読め!

以前、琉球大学の新城郁夫さんの研究書を紹介した時に言及したと思うけど、沖縄の作家として(というより現代日本の作家としても)群を抜いて面白いと思う目取真俊を法政の院生に強く勧めたら、その中の1人の関口クンが以下の書籍情報を伝えてくれた。
一時期、代表作の「水滴」が絶版で入手困難なこともあったけれど、もう1つの代表作「魂込め(まぶいぐみ)」(カッコ内は沖縄方言)とともに収録されている本が出たとは嬉しいネ、ぜひお読みなさい!
この2作は文学史に残る名作だ。
読みやすいのに、ハルキよりも重くて読み応えがあるのを、自分の眼で確かめてもらいたいネ。
ハルキを読んで感動するとも思えないけど、目取真俊を読めば感動すること請け合いだヨ。


目取真の本は
『赤い椰子の葉(目取真俊短篇小説選集2)』(影書房 2013年) 2160円
で、版元の内容紹介は以下のとおりです

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ある朝冬瓜のように腫れあがった男の足。指先からは滴がしたたり、その水を求めて戦時中壕で別れたはずの兵隊たちが夜ごと足元に列をなす(「水滴」第27回九州芸術祭文学賞、第117回芥川賞)。魂(まぶい)を落とし昏睡する男の身体にはヤドカリが宿るが、男の魂は浜辺で海亀を待ち続ける(「魂込め(まぶいぐみ)」木山捷平文学賞川端康成文学賞)。
不本意な生をもたらしたものは戦争か、人間か。記憶は時を超えて闇の底から突如としてよみがえり、生者に問いかける。
90年代の代表作を含む傑作13篇を収録(単行本未収録作品6編)。シリーズ第2巻。

【収録作品】
沈む〈間〉
ガラス

人形

盆帰り
赤い椰子の葉
オキナワン・ブック・レヴュー
水滴
軍鶏(タウチー)
魂込め(まぶいぐみ)
ブラジルおじいの酒
剥離