2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

学芸大学国語国文学会大会  舞城王太郎  藤井貞和

連絡が遅くなりましたが、明日30日は学大の学会です。 講演は現代詩人としても評価され、源氏から始まって今や沖縄からアイヌまで、実に幅広く研究しつつ結果を出し続けている藤井氏なので大きく期待できます。 卒業生も現役生も他のことをやっている場合…

小説と物語の二重性   焦点化  三島由紀夫

やっと三島の「孔雀」を素材にして、<小説と物語>という二重の読みが可能なテクストの実際を講義できた。 『現代文学史研究』第二集の拙論は同様の読みができる「殉教」を中心にしたので、「孔雀」論は手薄だった分だけ今回の講義では大事な補足をしたつも…

西村クンが久々に昭和ゼミに参加予定  いつもの桜桃の土産も

先ほど懐かしい昭和ゼミOBの西村クンからメールで、来週のゼミ(アフター?)に桜桃土産に参加するとのこと。 昔はゼミに参加して貴重な発言・発表をしてくれた彼も、一橋大院の博士過程に進学してからは専門の勉強に追われてゼミには顔を出せなくなっていま…

太宰治「彼は昔の彼ならず」は面白い!  次回は乱歩「赤い部屋」

意欲的なケイちゃんと太宰ファンのマンジュのレポだけあって、考え抜かれたレジュメだったので充実した議論ができた。 多様な読みが可能なテクストのあり方が、そのまま現れた議論になったのは昭和ゼミの実力か。 この際チェホフも読もうとメーリスに記した…

次週も「彼岸過迄」

「彼岸過迄」の第一回。 センちゃんが卒論提出の際の過ちをチョッと繰り返してしまった。 レジュメはできる限り早く参加者に配布するのがレポの務め。 1週間前に配布せよ、というやり方を通した先生もいた(いる)そうだが羨ましい方法。 少々遅れたけれど…

次回は平塚らいてう「元始女性は太陽であった」

大杉栄「生の拡充」をキッド君がキチンと解説してくれました。 分かりやすいようで分かりにくい所がある論だということが、ワタル君やズーシーちゃんのからの質疑で判明したのは手柄か。 一番興味深かったのは、李さんが「日本ではアナーキズムも社会主義か…

作家論的作品論か、テクスト論か?  高等理論のパッチワーク的論文  次回は「セメント樽の中の手紙」

以前にも作家論的な読みを提出した発表者があって議論になった(批判を浴びた)が、今回の藤村の私小説「突貫」でもレポの一人がその類のレジュメを出した。 前にも記したと思うが、基本的には正しい・間違っているという問題ではなく流行りの差異であって、…

紫陽花(アジサイ)を観よう!

桜の美しさに心打たれたのは、東京都の高校教員として採用された当初の研修の際だったことは覚えているネ。 それまでは「闘う学生」としての意識がジャマしていて、自然の美になど目が届かなかったわけネ。 だから桜の散るのを見ながら「スゲエ!」と感じた…

<小説>と<物語>

多忙にかまけていたら、またまた「概論」記事の更新を忘れたいて申し訳ない。 太宰「魚服記」における<水のモチーフ>を確認して、これが太宰文学に通底することを補足した。 太宰「魚服記」は当初、スワの死体が発見されるというエピローグが構想されてい…

次回は大杉栄「生の拡充」です

今日の感想は「ツブヤキ・イチロー」のコーナーに記してしまったので、そちらを参照して下さい。 「歌よみに与ふる書」は久々だったけど、大好きな実朝を絶賛してくれているので、読む度に喜ばしさを噛みしめる。 もう一人の好きな歌人である西行を、子規は…

外は暴風雨だゼェ! ワイルドだろ〜

大型(?)台風の通過のため、大学では夜の授業は休講にしろということらしいけど、7時限(7時40分から)の授業をやってやったゼェ〜 欠席は日本人留学生の異名を持つアヤーカーだけだったゼェ〜 (横浜在住の子育て中の中国人留学生マダム・ジョジョは…

法律の言葉と文学の言葉

(台風ものともせず、7時限の授業(7時40分〜)をキチンと2時間超にわたって院生と充実していたら、中央線が止まって帰れないのでブログで時間潰し。) 詳しい状況はまだ記すことはできないけど、先日、「法律の言葉と文学の言葉」というようなテーマで…

三島由紀夫の次は太宰の「彼は昔の彼ならず」です。

三島「月澹荘奇譚」は期待通りで、二人のレポが独自な読みを出し得ていたので議論が噴出した感じ。 特にレポが対照的な読みを出していて、テクストを徹底的に読み尽くそうとしたマユ〜ンと、読みに繰り込めない「断片」を強調するクリマンとの差異が議論を挑…

次回から「彼岸過迄」

「二百十日」論を二人のレポが発表したのだけれど、期待を遥かに超えて面白かった。 近藤さんのみならず、ユンさんもしっかりした自分の読みが出せていたので驚き。 読みやすい分、論じにくいテクストなのに、よく自分なりの読みが出せたものだというのが素…

18日は三島由紀夫「月たん荘奇譚」

昭和ゼミの記事の更新は済んでいるものと思っていたら、勘違いで失礼。 次回は表題通りで、レポの一人はゼミの師範代を任せている、某私立大学の博士課程のクリマン君なので期待できる(指導の先生からイジメられないように、実名は伏します。今さら?)。そ…

身近なテロ  <実体と表象>  <小説と物語>

『文藝戦線』やナップの機関紙『戦旗』の現物を回覧して、モダニズムの代表である『文藝時代』のオシャレな感じとの差異を確認してもらった。 関東大震災時にはフツーの日本人(自警団)がデマに乗せられるままに多数の朝鮮人を虐殺してしまったが(差別意識…

ヒグラシゼミ(感想)

普段は長期休みの際にやるのがヒグラシだけど、発表者の側で緊急を要する場合には今回(前回の3月も)のように、前回同様他大学生でもできるだけゼミの場を設けたい。 レポのトモチンは過剰に恐縮していたけれど、可能な限り学生と伴走するために学会の役員…

次回は「二百十日」

「草枕」2回目ですが、レポの趙さんが日本語のレジュメではなくハングルで書かれた別の用紙を読んでいたのには驚きました。 日本語を読むのがタドタドシイので迷惑をかけるから、という理由でしたが、本来は認めにくいやり方です。 キチンと日本語を読めな…

紅葉でも盛り上がり!  次回は志賀の「范の犯罪」

文語なので誰も取り上げないだろうとタカを括っていたら、国府田クンが果敢にチャレンジしたので嬉しい驚き。<志が高い!> ただ学部生が誰もそれに乗らなかったので(レポは二人ずつ)、TAをやってもらっているセンちゃん(岩橋譲)に付き合ってもらいま…

次回は子規の「歌よみに与ふる書」

今日は啄木の有名な、そして少々難解な評論を、リューマンが手際良く料理してくれた印象でしたが、やはり議論がタイヘンでした。 頭脳明晰な啄木らしい行論ではありますが、時々「意余って言葉足らず」という箇所が出てきたので議論になりました。 三節の終…

近代文学会6月例会・セザンヌ展(訂正)  金城孝祐展

いろいろ勘違いしていたので訂正します。 近代の例会は6月23日でした。 学大修士修了生のジッポ(竹田志保)の発表があるので何とかして参加したいのだけれど、「会報」を失くして30日だと思い込んでいたので別の予定を入れてしまっている。 今年度は通…

セザンヌ展・ルオー展・高橋由一展

学会の役員を降りたお陰もあってか、この十年には無かったほどに美術展に行くことができている。 これまでは行きたい・行こうと思っていながらも、ミスミス見逃してしまった美術展があって悔しい思いを繰り返してきた。 音楽は自宅では流しっぱなしで仕事を…

昭和文学会春季大会  東京学芸大学日本語日本文学会  藤井貞和

予め予定していたことが変更されたために、昭和文学会春季大会で大塩竜也クンの発表だけは聴くことができたんだネ。 昔以上に落ち着いた感じで堂々とした態度の発表だったけど、清張には全く興味が無いので・・ 学大と一橋大の院生には、「学会は参加するの…

12日は啄木「時代閉塞の現状」

5日は相馬御風の論を「無事」読みました。 次回は啄木ですが、意外に難しいのでそのつもりで準備すること。

「草枕」読んでます

漱石の長編小説を読む、という方針でやってきたけれど、留学生にはキツイので4・11日の2回は「草枕」です。 4日のレジュメは無理な読みで、今後を期待。 18日は「二百十日」でその次は「彼岸過迄」になる予定。

夏合宿で会いましょう! 最悪の「にい釜」は利用しません。

春合宿は松島に意想外な20人ほどが集結し、楽しく充実した3日間を過ごせました。 夏合宿は例年通り8月初めで、3〜5日(金〜日曜)と決まりました。 宇都宮大学と学大の合同合宿というのも例年通り。 3日は館山より少し北の保田(ほた)という所の北見…

プロレタリア文学

モダニズム文学の補足をした後で、プロレタリア文学に入った。 プロ文についてだけでも5時間(コマ)は要するだろうけど、短縮形で講義せねばならない。 明治大正期は幸徳秋水や大杉栄に代表されるアナーキズムが主流だったが、昭和期になるとマルクシズム…

谷崎「刺青」で盛り上がり! 橋下大阪市長の偏頗さ

今まで何度も読んだり議論してきた作品なので、飽きてやりたくなかったのだけれど、受講生からすれば新鮮な味わいのテクストなのだろうから、自分の都合ばかり言ってられない。 でもふたを開けてみたらレジュメも議論も面白くて、さすがに優れものが集結した…

昭和文学会春季大会  大塩竜也

6月9日1時半から、東洋大学(白山)で昭和文学会の大会で懐かしい大塩クンの発表(松本清張論)があります。 大塩クンを始め、「あの頃」の立教院生は真面目に授業に参加して積極的に意見を聴かせてくれるので、とても充実して楽しかったのを思い出します…

突然ですが、ヒグラシゼミをやります

6月13日(水曜)2時半から、研究室で他大学院生のトモチン(院授業や昭和ゼミに時折カオを見せる)が吉屋信子についての発表をします。 特に読んでおくものは無いそうなので、気軽においで下さい。