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稲垣栄洋  三浦大輔  「SWITCH」

Eテレの「SWITCH」という番組については以前にも触れたことがあるとおもうけど(中野信子さんの時など)、今日の再放送は「浜の番長」三浦大輔と雑草研究者という異色の取り合わせだった。 三浦は巨人キラーでもあって好きな野球選手の1人だけれど、ファン…

柳原白蓮  宮崎滔天・龍介

先ほどまでBSプレミアムの「ザ・プロファイラー」の柳原白蓮の特集(再放送)を、横目で見ながらメールのチェックをしていた。 (今はBS1の再放送「アウシュビッツは問う」を見ながら、ブログの更新をしてる。アウシュビッツで20年間ガイドを務めてい…

ロバート秋山

最初は気に入ったCMでも、何度も見せられるとウルサイだけでウンザリするものだけれど、ロバート秋山がドコモの社員役で出ているのも飽き(秋)ている。 その秋山が先日の「ゴロウ・デラックス」(TBS木曜深夜)に登場して新刊本を紹介してもらっていた…

室生犀星  加川良

ずいぶん前に犀星詩集を読んでいたら、『愛の詩集』の「女人に対する言葉」に 近所の子供がなづくよう 乞食には少しづつ与へるよう というフレーズに出遭って驚いたことがある。 加川良というフォーク・シンガー(松山千春が影響を受けたと言い、自分のコン…

漱石論  佐藤泰正  細谷博

佐藤泰正(編著)『漱石における〈文学の力〉』(笠間書院、1600円)を贈っていただいたものの、紹介が遅れてたままで申し訳ない。 佐藤先生(師弟の関係になったことはないけれど、「先生」と呼ぶしかない敬意を持ち続けている)のご配慮で梅光学院大学…

高校生の歴史参考書  教員の水準と戦争

自家に息子が高校時代に使った(買わせられただけで使ってはないかも)歴史の参考書、『新詳日本史図説』(浜島書店)と『最新世界史図表』(第一学習社)の2冊があったので読んで(見て)みたらメチャ楽しい。 自分の中高時代には無かった種類の参考書であ…

将棋と文学(補足)

来年度は某私立大学の非常勤講師を引き受けたので、そのために嫌いな書類作りが一段落したので・・・先日「将棋と文学研究会」に参加して安吾を特化して、小林秀雄や志賀直哉たちの定石通りの打ち方とは異なり、安吾は定石破りだと察している旨を述べさせて…

対照的な文学研究(書)  松村友視と綾目広治

ほぼ同時に優れた研究者から近著を贈られ、吾ながらとても幸せな気分だ。 松村友視『近代文学の認識風景』(インスクリプト)と綾目広治『柔軟と屹立』(御茶の水書房)の2著である。 自分とほぼ同世代の研究者(それぞれ2つ・4つ年下かな?)が近年の研…

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」  「大審問官」  吉本隆明「マチウ書試論」

リューメイの論を読んでいたら時々ドストエフスキーの名が出てくるのでワクワクしてしまった。 何度も「大審問官」に触れるので、とうとう書棚から何十年ぶりに「カラマーゾフの兄弟」を引き出してきた。 あと十数ページでリューメイを読み終わるので、続け…

原節子  石川巧  『月刊読売』

6日付の朝日新聞に、女優・原節子が戦後間もなくの雑誌に面白いエッセーを載せていたという記事があった。 世間の風潮を冷静に観察しながら、自分の意見を明確に記しているので少々驚いた。 ただの美人女優(好みじゃないけど)かと思っていたけれど、想定…

西川美和  水野良樹  「永い言いわけ」  「ゆれる」

前回途中から見たEテレの「スイッチインタビュー」を、今日は始まりの10分くらいが終ってから覗いてみた。 前回はいきものがかりの曲創りとギターを担当している水野という男性に関心が持てたので、このグループは水野のお蔭で売れているのが理解できた。…

宮澤隆義  『群像』12月号  七七舎

『群像』が地元の本屋では無かったので、今日内科に薬をもらいに国分寺に行ったついで駅ビルの紀ノ国屋に寄ったら有った。 ぜん息の呼気数値が500に満たなかったのが、このところコンスタントに超えるようになったのは我ながら驚き。 ともあれ『群像』の…

井伏鱒二研究  前田貞昭

送られたのはずいぶん前だったのだけれど、書斎の積んどく本の下の方に紛れていたので紹介が遅くなりました。 『兵庫教育大学 近代文学雑誌』(第27号)に、連載を欠かさない前田貞昭さんの実証的な井伏研究の成果が掲載されています。 (他に太宰治「ろま…

『石ノ森章太郎論』  山田夏樹

遅まきながら手塚漫画に圧倒されていたのを知ってなのか、ナッキー山田クン(もちろんラッキー池田からの命名)がわざわざ漫画を送ってくれたと思い、ホントに気の付くヤツだとほくそ笑んでしまった。 ナッキーは立教大で博士号を取得しているので学部・修士…

吉本隆明「転向論」の補足  小林杜人  『共同研究 転向』  佐多稲子「虚偽」

昨夜、リュウメイの「転向論」を想起してブログを書きながら、彼が評価していた思想家・運動家の名前が正確に浮かばなかった。 今、「転向論」には出てこないことを確認した後に、目ぼしを付けておいた『共同研究 転向』(思想の科学研究会編)のまず下巻を…

飯田書店(国立)  坂口安吾  小林秀雄  鹿島茂  内田樹

宮澤隆義氏の群像新人評論賞を見に市内の大き目の本屋(飯田書店と言ったかな?)に行ったけど、『群像』は既に売り切れたようで見ることができなかった。 せっかく行ったのだからと思って地下の文芸モノ売り場に行ったら(小さな街の本屋にしてはけっこう並…

手塚治  LGBT

今BSプレミアムで「コズミック」という番組を見ているのだけれど、中学の頃の地学以来自分が宇宙のことに理解力が欠けているのを自覚している。 それでいてパスカルじゃないけど、果てしもない宇宙のスケールに対する関心は続いているので、ブログを記しな…

トランプよりも三島由紀夫へ  ヘンリー・ウォレス  サンダース

今日(12日)は昭和文学会に行って来たので、それを報告したいのだけれど、昨日書き始めたのを完成させてからにしよう。時事問題を直接語る気はないけど、そこから実になる話に転じたい。 どうせイギリスのEU離脱と連動したトランプ選出というポピュリズ…

群像新人評論賞  宮澤隆義

新聞の文芸誌の広告を見ていたら、『群像』に新人評論賞発表とあった(昔は6月号だったと思うけど)。 そこに覚えのある名前があり、暫くしたら思い出せた(自力で想起するのがボケ防止法)。 宮澤隆義、1・2年前に安吾論を1冊にまとめた若手の研究者、…

『テクスト分析入門』おススメします

松本和也編著の本でひつじ書房から2000円で近刊されたもの。 ひつじ書房といえば中村三春さんの著書を始めイイ本を出している出版社。 本書は松本氏のみならず斎藤理生や友田義行等々、今が旬(しゅん)の研究者が揃って手分けして書いているので信頼も…

朝日新聞の連載記事  「黒い大地をたどって」  「日ソ戦争をたどって」

東京新聞を1週間ほどタダ読みさせてもらった時、感想を聞きに来た営業マンが以前は朝日の営業をしていたことがあり、朝日が例のチョンボで信用を失った時に担当していた神奈川のある地区では、40〜50軒の家が朝日を止めたので困ったそうだ。 それでもボ…

夏井いつき(俳人)先生、また間違い?

先ほど偶然見た例の民放俳句番組(木曜午後7時TBSだった)の夏井先生、ジャニーズあたりの坊やの句を褒めたのは良かったけれど、誤解を元にしてたと思うのだけど。 紅葉山 暮れて紫紺に 匂う頃 パッと見イイ句だと思うのものの、詠んだ本人も解説した夏…

日和聡子  詩集『砂文』  立教大学卒業生  大高翔

今はほとんど小説家としてのみ知られているだろう日和さんは、実は(藤村・花袋の昔から)よくあるように元々は詩人として出発した人だ。 2001刊行の詩集『びるま』(と『唐子木』)が佐々木幹郎さん(や中村稔さん)に激賞されて中原中也賞を受賞し、一…

キムケン  井上ひさし  平田オリザ  演出と演奏

現在の近代文学研究を先導している1人・松本和也をキムケンの紹介したら、平田オリザについて発表するという。 ボクの演劇体験はつかこうへいの「熱海殺人事件」を紀伊国屋ホールで観てから追っかけ始め、つか事務所が解散されてからも三浦洋一や平田満等が…

俳句  夏井いつき(の思イツキは誤り)  上海バンド

夏井さんと言ってもピンとこないかもしれないけど、タレントに俳句を詠ませて辛口の批評をする民放番組の先生と言えば分かるかな。 ボクも偶々食事時(ボクにとっては昼飯)に見ることがあるけれど、その評言がじつに面白いので勉強になる。 3週間ほど前だ…

マルティン・ブーバー  《我と汝》  関谷一郎の小林秀雄論  「折々のことば」

愛読していた鷲田清一さんが朝日新聞に連載している「折々のことば」が、いよいよネタ切れになって最近はずっと低調なままなのは前に記したとおり。 3ケ月ほど前には(7月17日)マルティン・ブーバーが取り上げられたのは、鷲田さんならいずれやるだろう…

「ショスタコーヴィチ(の証言)」  交響曲(建て前)と本音(室内楽)  ムラビンスキ―  ブルックナー  スタニスラフスキーよりメイエルホリド

ヘイカやアイ〜ンはテレビ無しの生活をしているそうだけれど(可哀想なアイ〜ンはテレビが無いのに、スマホを持っているという屁理屈に基づきNHKの受信料を強奪されている)、無い方が自分の時間を自由に使えるところが評価される点だと思う。 あるとテレ…

『るる』  詩研究

「るる」で検索すると何が出てくるか知らないけど、これはレッキとした現代詩/詩論研究会の研究会誌、ボクも知らんかったけど。 その第3号を疋田雅昭氏から先般いただいて知り、驚くほどのメンバーと内容の充実ぶりに魅せられた。 疋田氏には学大赴任前にヒ…

『村上春樹と二十一世紀』  宇佐美毅  小森陽一  研究と評論

宇佐美毅・千田洋幸編著のシリーズ3冊目、おうふうより2500円+税金。 編者を始めとする東京学芸大学出身と、宇佐美氏が勤務する中央大学出身の研究者が中心となって縦横にハルキ文学を論じて充実していておススメ! 編者以外でも野中潤・山田夏樹・矢…

黒岩裕市『ゲイの可視化を読む』  村上春樹の偏見・差別意識

コウ(日の下に光と書く漢字だけど出ない)洋書房、1800円(税別)。 小粒ながらピリ辛、読む者の盲点を突くモノスゴク大事な本、読まない人は一生盲点を抱いたまま嘲笑され続けることになるのでゼッタイの必読文献。 黒岩氏の実力は院生の頃から際立っ…